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2014年1月15日(水)

議会と自治体 2014年1月号

実態をつかみ、「ブラック企業」規制・雇用改善へ

党福岡県委員会ブラック企業・雇用問題委員会責任者 真島省三

失業率全国第2位、非正規率第5位

福岡県の雇用者報酬の推移「県民経済計算」(福岡県)によれば、福岡県の雇用者報酬は、消費税増税がされた1997年以降、総額で9,600億円(1997年比で9.6%)減少しており、この13年間、減る一方です。一人当たりの雇用者報酬でも、13年間で約40万円(月3万3千円相当)、約8%減少しています(右図)。

また、増税以降、地域経済をになう事業所は、事業所数で16%減、従業者数で4%減少しています(総務省、平成24年経済センサス)。とくに製造業での減少が目立ちます。

このような地域経済の担い手が減少した結果、地域の商業は大きく衰退しています。

この13年間で、商業での年間販売額は、総額で35%も減少(小売業では23%減少)しています。事業者数では22%(小売業では27%)減少していますが、とくに、個人商店の減少が著しく、小売業ではほぼ半減する状態です。

地域経済の落ち込みを反映して、福岡県内で働く労働者も、深刻な実態にあります。

正規労働者、非正規労働者の実数と非正規率の推移失業率は、全国第2位の高さで(総務省「労働力調査」13年4月~6月)、その土台の上に大量の非正規労働者がつくられています。非正規労働者の比率は、雇用者のうち、会社の役員を除けば40%に達し、全国第5位の高さでこの15年で、約1.7倍に増えています。逆に正規労働者は、15年前の86%に減っています(表1)。

相談の内容このなかで、公的機関への労働者の相談が急増しています。県の労働者支援事務所によせられる相談は、2009年のリーマンショック以降、毎年一万件を超えています。12年4月1日~13年3月31日までの労働基準監督署や監督局によせられる相談件数の国の集約によると、福岡県は4万4千779件であり、単純合計で年間5万件を超える労働相談がよせられています(厚生労働省「平成24年度個別労働紛争解決制度施行状況」から)。

労働者の相談では、全国では「いじめ・嫌がらせ」がトップ(20.6%、前掲調査)ですが、福岡県では「賃金・退職金」、「労働契約」、「職場の人間関係」関連が全体の44%で、「職場の人間関係」で分類される「パワハラ・セクハラ」相談が増えていることがよくわかります(表2)。

人間らしい雇用実現へ、労働分野での活動を重視

福岡県党はこの間、労働者のなかでの活動を重視してきました。

2009年に全国で大量の「派遣切り」が強行された際、県党をあげて「派遣切り」反対・労働者救援にとりくみ、日産やトヨタなどの大企業に直接申し入れ、門前宣伝など労働者を激励するとりくみをおこなってきました。労働者から、「共産党はすごい」との手紙が県委員会に届けられ、共産党に入党する労働者も生まれました。

また、派遣切りされた労働者の生活救済にもとりくみ、路上生活者も生活保護が受給できるように制度の運用を改善させ、文字どおり「命綱」の役割を果たすことができました。

党が2013年2月14日に「働くみなさんへのアピール賃上げと安定した雇用の拡大で、暮らしと経済を立てなおそうし(「賃金・雇用アピール」)を発表したときは、それをもって236を超える労組・団体を訪問し、連合や九州経済連合会からも「立場は同じだ」との共感を得ました。夏の公務員の賃下げ攻撃では、「公務員向けビラ」を5万枚発行し、多くの自治体職場に配布しました。

人権無視の雇用状況がつづき、「ブラック企業」がはびこる現在、「いまこそ、共産党の出番だ」と、「ブラック企業」をなくし、人間らしい雇用と生活を取り戻すための、次のようなとりくみをおこなってきました。

  1. 県委員会に「ブラック企業・雇用問題対策チーム」をおき、9月~10月を「第一次アクション」、11月~12月を「第二次アクション」として、宣伝、学習会、街頭アンケート活動、企業・大学門前宣伝、各界との懇談・対話などを強める。
  2. 10月12日に、再選された仁比そうへい参議院議員と首都圏青年ユニオンで活躍した河添誠さんをまねき、広い青年に集まってもらう「青年トークセッション」を開催。
  3. 街頭アンケートや県委員会のホームページによせられた相談の解決に力をつくす。

「働き方チエックシート」に寄せられる深刻な声

ブラック企業におしおきよ キャンペーンカーこのとりくみを強めるために、党県委員会は、①カラー版チラシ三種類(合計三万枚)、②横断幕、③ポスター(千枚)を作成し、県内各地での活用をすすめています。

また、県民の働き方の実態をつかむために、「働き方チェックシート」を作成、このなかで、「残業代を払わないし、「残業が当たり前」、「達成不能なノルマをおしつけられる」など、12項目の質問をもうけ、実態が簡便につかめるようにしました。

県の宣伝カーを、「ブラック企業におしおきよ!キャンペーンカー」として改装し、“雇用のヨーコ”を全面に描き、ピンク一色で目立つものにして、県内をまわりました。宣伝では、カクサン部Tシャツを着た青年がまわりにいて、車、横断幕、ポスター、チラシとピンク一色になる街頭での宣伝は、とても目を引くものになりました。

宣伝隊

街頭アンケートのために、シールボードも用意、「働き方チェックアンケート」を県委員会のホームページでも掲載し、誰でも自由にアクセスできるようにしました。

ブラック企業におしおきよ!アンケート チラシ
働き方チェックシールボード(表)
働き方チェックシールボード(裏)

これらをつうじて寄せられた相談や声は、深刻なものです。

よせられた「声」の集計11月末現在、街頭での対話や党県委員会のホームページへのアクセスなどから、160を超える「アンケート」がよせられました。そのなかで、「声」としていちばん多いのは、「残業するのが当たり前になっている」で(全体の53%)、つづいて「心の病の同僚がいる」で、半数近くにおよび(47%)、その深刻さに改めて驚かされます。

手取り12万円で働く20代の正社員の女性は、「職場にノー残業デーがあるが、それは残業がない日ではなく、残業代が出ない日になっている」、「自分の労働条件がわからない」など、ひどいものが多くなっています。なかには、露骨なセクハラで、5人のうち3人が「ウツ」になった、という人もいました(表3)。

「青年トークセッション」に115人が参加

青年トークセッション労働者との対話にとりくみながら、「第一次アクション」の中心企画として、10月12日、「ブラック企業におしおきよ!福岡青年トークセッション」(党県委員会と民青同盟県委員会共催)を開催しました。

そこには、「赤旗しんぶん」の折り込みをみた読者、ビラを駅で受け取り、そのビラをにぎりしめて参加してくれた若い女性など、私たちが初めて接する青年もふくめ、県内各地から115人が参加してくれました。

集会で河添氏は、低賃金・不安定な非正規雇用の拡大によって過重労働から労働者が抜け出せないことを指摘し、「名ばかり店長」の労働裁判で勝利した青年の経験から、連帯して働き方を変える展望を語ってくれました。仁比参院議員は、安倍政権の労働市場の「総ブラック化」を批判し、最低賃金の引き上げや中小企業の支援などの政治の役割を話し、「参院選で得た議案提出権で法案を提出し、みなさんの願いを実現するため全力を尽くす」と、熱く語りました。

参加者から、「ブラック企業につとめていたが、労働基準監督署に相手にしてもらえなかった」、「公務職場に働いているが、公務員バッシングにどう対応すればいいのか」、「自民党の改憲草案は、労働者の権利をどう変えようとしているのか」などの意見や質問も出され、終了時間ぎりぎりまでの熱心な交流がおこなわれました。

また、感想文では、事前に参加の申し入れと懇談をおこなった福岡県庁の関係部署の方からの「いろいろな話が聞けて本当に良かった。労働者がよりよい労働をしていけるように自分が何をしたらよいか考えたい。今後も行事の案内をお願いします」との声や、20歳の学生の方から「社会人になる前にこのようなことを知ることは、自分にとってすごく大きなものだった。これを…機に、どうすれば社会が変わるのか真剣に考えてみたい」などの声も寄せられました。大成功のとりくみになったと確信を深めました。

「ブラック企業規制法案」をもち各界と懇談、対話

このとりくみの期間中の10月15日に、躍進した参議院国会議員団が提出した「ブラック企業規制法案」要綱が発表されました。法案をもち、各界の対話、懇談もおこないまし
た。
この間の主な申し入れ、対話、懇談先を紹介します。

◇9月18日、「青年トークセッション」への参加案内のため、福岡県労働者支援事務所をふくめ県内17団体を訪問。

◇9月25日、福岡労働局と懇談。当日、今回の「とりくみ」について、記者会見をおこなう。

◇11月6日、7日、「ブラック企業規制法案」をもち、連合系をふくむ労働組合213、経済団体4など、合計34団体を訪問。

◇11月7日、北九州市、県労働者支援北九州事務所、北九州市立大学と懇談。

福岡県の労働者支援事務所では、急増する労働相談やパワハラ・セクハラに対応して奮闘する県当局の実情も聞かせてもらうことができました。

福岡労働局では、9月におこなった「電話相談」の結果や、県内の青年の離職率の状況などが報告されました。電話相談では、電話7台15人の相談体制で実施し、20代~30代を申心に155人から相談があり、受話器を置いたらすぐに電話が鳴る状況で、九州・沖縄全域から相談が殺到したことも報告されました。

11月6日の、連合系をふくむ労働組合や経済団体訪問では、規制法案のポイントを説明し、「規制法案」全文号外を役員に配ってもらうこと、党との「意見交換の場」を持っていただくことなどを要講しました。

そこでは、「共産党のいっていることに同感です。一致できることが多い」、「ブラック企業問題は、日本経済にとっても由々しき問題、企業にとって自分で自分の首を絞めることになる」、「ブラック企業のように、人を大事にしない企業は十年もたない。淘汰されるでしょうね」などの声がよせられ、「共産党とぜひ意見交換の場を持ちたい」などの意見が出されました。

北九州市との懇談では、労働者の権利をまとめた「ハンドブック」の増刷や普及を要請しました。北九州市立大学では、市立大学の学生の就活の平均的な姿として、「エントリーシート提出は平均80社、うち、面接までいけるのは20社。最後に『内定』をもらえるのは、2~3社」(大学就職支援室)など、学生の深刻な就活状況も報告されました。

増加する党への労働相談と今後のとりくみ

党県委員会では、9月に県委員会の専用動画サイト「ネットでもっと共産党。福岡放送局」を設置しました。その番組の第1号として、「青年トークセッション」をアップしました。アップ以降、約1カ月で500人近いアクセスがあり、いまあきらかに、労働者からの相談が増えています。

ネットでもっと共産党 第1回

メールで職場のパワハラの実態をよせた大手電気企業労働者、“ポスターをみた”という医療分野の女性労働者、キャンペーンカーでの宣伝中に「演説を聞いた」と次の宣伝場所まで追いかけてきた女性労働者、「ビラを見た」と地区委員会の学習会に参加し、そこで労働相談、「しんぶん赤旗」日曜版読者にもなった女性労働者などです。

そのほかにも、地方議員への労働相談、県労連への相談が増加しています。

ある地区委員会では、朝の駅頭で「返信用封筒付き」で「ブラック企業ビラ」を配布したところ、すぐに4通の返信がありました。いま、県委員会では、それらの1件1件に担当を決め、対応する努力をおこなっています。

私たちが活動すればするだけ、相談が増え、また、労働者の苦難軽減に役立つ活動となると確信し、今後も次のような意欲的な企画を検討しています。

  1. 12月21日(土)にクリスマス・パレードをおこなう。
  2. 地区委員会でも、「ブラック企業」問題や「法案」の学習会、シンポジウムをおこなう。
  3. 「働き方チェックアンケート」を「しんぶん赤旗」日刊紙、日曜版に折り込み、広く党員や読者から情報や相談をよせていただく。

雇用を拡大し、地域経済の活性化を

県党は、地域経済の現状をふまえ、2014年初頭に「福岡県における雇用拡大・地域経済振興のための提言」が発表できるよう準備をすすめています。

先にのべたような衰退する地域経済に対して、日本共産党福岡県委員会は、次のような内容を柱に具体化し、県民所得の向上と雇用の拡大をすすめ、地域経済の振興への提案、とりくみをすすめています。

  1. 県内大手企業を中心とした企業の内部留保を活用し、あわせて、政府の最低賃金引き上げにより、労働者の賃金引き上げをすすめる。また、非正規労働者の正規化、サービス残業の根絶、などによる労働者の労働条件の向上をすすめる。
  2. 農林水産業の支援や所得保障等をすすめるとともに、バイオマス、小水力発電などを中心とした再生可能エネルギーの開発・普及により、安定した雇用を創出する。
  3. 青年・学生の就活活動、子育てと仕事の両立を願う女性への支援、高齢者の雇用への支援をすすめる。
  4. 地域経済を担う中小企業、商店、個人事業者へのきめ細かな支援に力をつくす。

以上を中心に、各界とも連携し、福岡県の実情もふまえ可能なかぎりの数値化にも努力します。県民に希望と展望が示せるよう奮闘する決意です。

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