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2013年6月1日(土)

賃上げと安定した雇用の拡大で暮らしと経済を立て直そう日本共産党福岡県委員会の「賃上げ・雇用」アピールシンポジウム

日本共産党福岡県委員会

日本共産党福岡県委員会は2013年5月15日、福岡市内で、中央委員会が2月に発表した「働く皆さんへのアピール」=賃上げと安定した雇用の拡大で 暮らしと経済を立て直そう」についてシンポジウムを開きました。基調報告は中央委員会労働局次長の米沢幸悦氏。シンポジストは門馬睦男氏(県労連事務局長)、木原正則氏(工務店経営者)、仁比聡平氏(前参院議員)の3人でした。当日は県下の各分野から130人が参加しました。

最初に50分程度、米沢氏が、「アピール」の本文に沿って、そのポイントを説明しました。その大要を紹介します。

世界でも異常な賃下げと雇用不安
── 賃上げと雇用の安定は切実で当然の要求です

各国の雇用者報酬の推移グラフを見れば歴然。賃金とGDP(国内総生産)が長期にわたって連続的に減り続けている―こんな国は先進国の中では日本だけである。

  • 最低賃金は先進国で最低水準である。
  • 非正規雇用の急増も日本の異常さの表れである。
  • 無法な解雇が横行している。

EUでは、「ヨーロッパは、低賃金と低技能を利用して国際競争力を維持することはできない」(2007年3月 ヨーロッパ議会雇用・社会問題委員会文書)としている。

ILO(国際労働機関)は、1999年の総会で「ディーセント・ワーク」──人間らしい生活が営める、働きがいのある労働――をかかげ、その実現に向けて国際的な取りくみがすすんできた。

ところが日本では、これに逆行して、1990年代後半から「使い捨て」の非正規雇用が広がり、賃金も下がり続け、無法なリストラ・解雇が横行するという、〝人間らしく働き生活する〟という、世界では当たり前の労働者の権利がないがしろにされてきた。

働く人の所得を増やして、デフレ不況打開へ

賃下げ、非正規拡大がデフレ不況の悪循環をつくりだしています

法人企業の経常利益と雇用者報酬の推移1997年度比で、日本企業全体の経常利益は、2011年度には1・6倍に増えているが、働く人の所得(雇用者報酬)は9割以下に減少した。同時期に、輸出は1・25倍になったが、国内需要は約1割減少した。「国際競争力のため」といって、乱暴なコスト削減で輸出は増やしたけれども、働く人の所得を大幅に引き下げたために、国内需要が減少し、デフレ不況の悪循環に、いわゆる「合成の誤謬」=一つ一つの企業にとっては「合理的」にみえても、みんながやれば大きな間違いになる=に陥っている。

働く人間の「使い捨て」は、産業の競争力さえも脅かしている

パナソニックの元幹部の話=「優秀な若い人は展望が開けずに辞めていく。技術者がたくさん韓国のサムスン電子に移っていった。―――それでも会社は引き留めない。当面、人件費を下げる方が大事だからね。寂しいですわ」。働く人間をモノのように「使い捨てる」やり方は、仕事へのモチベーションも、技術力も喪失させ、競争力さえも減退させている。

内部留保の一部を賃金と雇用に還元する
―経済の好循環をつくる突破口です

大企業の内部留保と資産構成の推移内部留保とは

  1. 資本剰余金
  2. 利益剰余金
  3. 引当金等

のこと。

内部留保の1%程度でも大きな賃上げが実施できますー働く人の所得を増やす方向に転じるためにはどうしたらよいか。カギは、巨額の内部留保を、社員の給与として、それぞれの企業が使う方向に動き出すこと。

自社の内部留保のほんの一部を給与に回せば、ほとんどの大企業で賃上げが実現する。

(アピールには、内部留保500億円以上の大企業=約七百社=の賃上げの可能性を試算し、「月1万円賃上げ」が可能な主な企業名と資産内容を示している)

大企業は、人件費とともに、下請け・納入単価の強引な切り下げも行なってきた。これも、消費と内需の減少と相まって中小企業での賃下げにつながっている、乱暴な「単価たたき」をやめ、適正な単価にする、そのためにも各企業が内部留保を活用すべきである。

余剰資金を動かし経済を活性化させる最良の道が賃上げと雇用です

大企業の内部留保は、この10年間で100兆円も積み増しされ、260兆円にも達している。(→グラフ4参照)

財界などの言い分、反論を切る

財界は、「内部留保は工場や機会になっているから取り崩せない」と言い逃れるが、果たしてそうか。グラフ4の下段の(資産の構成)がしめすこと=主な資産(有価証券、現金預金、現物資産等)のうち、大きく増えたのは、工場や機械など設備投資ではなく、有価証券で、設備投資にはあまり回っていない。

少なくないエコノミストや企業経営者からも、「企業内部の余剰資金を動かすべきだ」という指摘がされている。

企業の社会的責任をどう果たすのかが、いま問われています

企業の経営者には、自分の企業の目先の利益や株主の配当だけでなく、「日本経済の成長の中で業績の回復をはかる」視点が必要ではないか。日本共産党は、大企業の経営がどうなってもいいという立場ではない。大企業・財界が、企業の社会的責任を自覚し、内部留保の一部を賃上げと安定した雇用を増やすために充てることを強く求める。

政府が賃上げ目標をもち、それを実現する政策を実行する
──「企業まかせ」でなく、政治の責任を果たすときです

国民の暮らしと、その最大の基盤である雇用を守ることは、政治のもっとも基本的な仕事であり責任である。ところが安倍内閣には、自公政権時代に自らがすすめた労働法制の規制緩和、非正規雇用の拡大など、働く人の所得を減らし続けた経済政策の分析も、反省もない。

働く人の所得を増やすために何をなすべきか──この日本経済が直面している問題に、政治が真正面から取り組まなければ、デフレ不況から抜け出すことはできない。日本共産党は、政府として、賃金を上げる目標をしっかりもち、賃上げ政策をすすめることを求める。

◆労使まかせではなく

賃金や労働条件は基本的には労使自治の問題であり、国家が介入すべきではないという主張があるが、資本主義の歴史を見れば分かる通り、労使にまかせたら、圧倒的に労働者の条件が悪い。そこで近代民主主義国家の考え方として、対等な労使関係を築く方向で労働法ができた。ところが歴代の自民党政権、それを引き継いだ民主党政権がやってきたのは、労働法制の改悪というのが実態である。

したがって、今回のアピールでは次の方向での具体化を提起した。

  1. 財界の「賃上げ・デフレ不況加速」への間違った行動をただす
  2. 政府の責任で、違法・脱法の退職強要・解雇・雇い止めの根絶を
  3. 賃上げを促進する政策をすすめる、の三つの柱である。

さらに賃上げを促進する具体的な施策を4つ提起した。

  1. 非正規で働く労働者の賃金と労働条件を改善し、正社員化を促進する。
  2. 最低賃金を引き上げる
  3. 中小企業と大企業の公正な取引を実現する
  4. 政府による賃下げ促進策を中止する

②の「最低賃金を引き上げる」の問題では、中小企業経営者からの「そんなことを言われても、経営が成り立たない。人員削減につながり、反対」の声に応えて、次のように踏み込んでいる。

「全国平均時給749円の最低賃金を、せめて時給1000円以上への引き上げをめざすべきである。そのためには、賃金助成や税・社会保険料の減免など、しっかりとした中小企業への支援が決定的。最低賃金を引き上げるための中小企業支援のため、米国(5年間で8800億円=減税)やフランス(3年間で2兆2800億円=社会保険料の事業主負担分の軽減)などのように抜本的な予算増をはかるべきである」

人間らしい暮らしを保障する ルールをつくってこそ、ほんとうに強い経済に

アメリカもEUも低成長で、厳しい状況が続いている。しかし、長期にわたって国民の所得が減り続け、経済が停滞・後退する──こんなことが起きているのは、先進国の中でも日本だけ

日本は、働く人の所得(雇用者報酬)とともに、国内総生産(名目GDP)も1997年と比べて約9割に減ったが、欧米諸国は、雇用者報酬だけでなく名目GDPも1・3~1・8倍に伸びている。(→グラフ2参照)

アメリカやEUと比べても異常ともいえる日本経済の長期にわたる低迷・後退と国民の所得減少の根底にあるのは、国民の暮らしを守るルールがないか、あっても弱い、「ルールなき資本主義」という問題である。

労働者と国民の連帯の力で、暮らしと経済を立て直す国民的な共同を

なぜこのアピールを発表したのか。

立党の精神、苦難の軽減のためには何でもするという立場から。

賃上げなど労働者の要求は待ったなし。政策的提言が必要だと取り組んできた。さらにこれに続いて、4月24日に、─「アベノミクス」危険な暴走を許さず 消費税増税を中止し、国民の仕事と所得を増やす、本格的な景気回復をーの総合的な経済政策の提言をおこなった。

政府系の学者も「賃上げこそ」と同様の主張を始めている。わが党の国会論戦をつうじて、安倍政権も、日経連など経済団体への賃上げへの協力のお願いに行った。近代経済学者の大御所も、内部留保の活用について、「ずっと以前から一貫して共産党が主張してきた」と地方新聞で評価する発言をしている。グッドタイミングであり、チャンスである。

このアピールを携えた各地の訪問・対話の報告から、民主党一党支持できた「連合」との共同の可能性が見えてきている。TPP問題でのJAなどとの共同が発展する中で、共同へのとりくみは、労働組合運動では遅れてきたが、今、新しい局面といえる。このアピールの作成にあたっては、そういう配慮も行なった。

日本共産党は、働く人の所得を増やすという大きな一致点で、労働組合やナショナルセンターの違いも、政治的立場の違いものりこえ、幅広い国民各層のなかで、対話と共同をすすめることを呼びかけるとともに、その先頭にたって奮闘する。

参加者から寄せられた感想文(一部)

「内部留保の異常さがよくわかりました。貸借対照表のカラクリ、内部留保を取り崩せないという言い逃れを打ち破れる自信を持ちました。しっかり学び、国民の苦難軽減のために頑張ります。」

「初参加でしたが、経営者の方の話が印象に残りました。時間をとって、まだまだ聞きたいと思いました。」

「すばらしい話を聞かせていただけました。『肚をすえること』『草の根のとりくみ──』など納得しました。自分たちで〝風を起こす〟事の大切さを思い起こしました。」

以上

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