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2014年7月8日(火)

福岡民報2014年7月号

川内再稼働許すな!原発ゼロへ運動の発展を

篠田 清

「川内原発の再稼働を強行するな!」――6月13日、鹿児島県庁前に集った1,000人を超える人々の力強いシュプレヒコールが大きな県庁舎にこだまします。この日は、安倍政権が全国の原発再稼働の突破口に狙っている川内原発の再稼働受け入れをめぐり論戦が始まる6月県議会の初日でした。

再稼働反対を訴える行動集会(90団体でつくる「ストップ再稼働!3・11鹿児島集会実行委員会」主催)が開かれたのです。同集会には、北は北海道から南は沖縄、首都圏、東海、北陸、四国、九州から参加者が駆けつけました。福岡からは、約80人が参加、私もその1人でした。この行動と、6月3日に行った日本共産党九州7県代表の九電交渉などを通じて感じている川内原発再稼働の問題点と再稼働許すなのたたかいについて、報告します。

福井地裁判決を確信に

同集会では、主催者をはじめ多くの発言者が大飯原発の再稼働を差し止めた福井地裁の画期的な判決にふれ、川内原発再稼働の不当性を糾弾しました。改めて福井地裁判決の4つの意義を確認したいと思います。

1つは、憲法で保証された「人格権」がキーワードにすえられ、人格権が人命を基礎とし、日本の法制で最優先とされていることです。つまり、国民の命と暮らしを守ること以上に大切なことはないという立場に立って再稼働ストップの判決を下したことです。

2つは、運転停止によって被害拡大の要因の多くが除かれる他の技術と異なる原発に内在する本質的な危険性を指摘したことです。この指摘は日本共産党が指摘してきた原発の「異質の危険」と同じ論理です。

3つは、地震大国日本で、基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは、根拠のない楽観的見通しと「安全神話」を断罪したことです。

4つは、原発の運転停止による多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根をおろして生活していることが国富であり、これを優先すべきだとしたことです。

この4つの判断は、大飯原発だけでなく全国すべての原発にあてはまるものです。

ですから、私たちとの交渉のさい、九電は「係争中、コメントは差し控えたい」としか語ることができませんでした。

ずさんな避難計画に批判集中

「ずさんな避難計画のもとで再稼働など許すことはできない」と同集会で実行委員会事務局の杉原洋さんが訴えました。鹿児島では、この避難計画が大問題になっています。

九電交渉の場で、鹿児島の松崎真琴県議らが要旨次のように追及しました。

過酷事故が起きれば、約90分前後に格納容器からの放射能漏れが始まる。一方、原発30キロ圏の住民全員が圏外にでるまで、川内原発では約29時間かかるとされた。玄海原発では約22時間かかる。これでは、住民が放射能にさらされることになり、避難計画自体がなりたたないではないか。

九電の答えは、事故が発生したとき、迅速な情報提供が私どもの一番の役割。避難計画については、当社が何をするのか決まっていない、というものです。

これを聞いたとき、私は、九電は再稼働ありきで避難計画は自治体まかせ、本当に無責任な態度でだと怒りを感じました。
同時に、鹿児島では、伊藤県知事に対して県民の大きな怒りが起こっています。

伊藤知事はもともと川内原発再稼働に前のめりで協力している人です。その伊藤知事が5月16日の記者会見で10キロ圏の要援護者(高齢者や身体障がい者、妊婦、乳幼児など)の避難計画は7月にできあがる。それでパーフェクトに近い計画になる。30キロ圏までの避難計画をつくらないと再稼働できないといったら、全部の原発が動かないようになる。原子力規制委員会が要求していないから、30キロ圏までの避難計画を作成しないと表明しました。

つまり、要援護者は10キロ圏までは避難してもらいますが、それ以外の要援護者は切り捨てますという態度を明らかにしたわけです。この知事の態度が大きな問題になっています。これは住民の安全を守るという地方自治体の責務を放棄する態度であり、県知事としての資格が問われるものです。県民の厳しい批判が起きるのは当然です。

こんなずさんな避難計画しかできていない状況で、川内原発の再稼働などはもってのほかというしかありません。

巨大噴火の予知は不可能

川内原発の160キロ圏内には、気象庁が「特に活動度が高い火山」だと指定した桜島、薩摩硫黄島、雲仙岳、阿蘇山、新燃岳があります。九電は超巨大噴火に伴う火砕流が川内原発の立地点に過去何度も襲っていることは認めています。

そこで、私たちが原発運用中に破局的噴火の「可能性は十分低い」と、九電はどうしていえるのか。気象庁の火山予知連絡会とは確認したのか、とただしました。

九電の回答は、噴火履歴の特徴とかマグマだまりの状況をもって、その可能性は十分低いと評価した。気象庁などからデータをもらうさいに、モリタリングの考え方とかを相談させてもらった、というものでした。火山予知連と相談したとはいいませんでした。

火山予知連はなんといっているのでしょうか。予知連の藤井敏嗣会長は「モニタリングで噴火時期が判定できるというのは火山学の常識外」「巨大噴火の予知は不可能」とのべ、「噴火するか、しないかで判断するとわからないから、立地は認められない」と断言しています。

火山学の専門家の知見に真摯に耳を傾けようとしない九電の姿勢、それを問わない原子力規制委員会の態度。いずれも“再稼働ありき”といわなければなりません。

地震規模は11倍、耐震工事見直さず

九電の活断層評価が「とにかくひどいもの」と批判したのは、政府の地震調査研究推進本部の地震調査委員会。原子力規制委員会がこの評価を九電に対し、受け入れるよう求め、九電はしぶしぶ地震動の評価を見直しました。この結果、川内原発を襲う地震のエネルギーも変更、「甑海峡中央断層」でいえば、九電の想定より11倍も地震のエネルギーが大きくなります。

ところが、九電はこの見直しによっても「耐震設計の基本方針に変更はない」と主張しています。原子力規制委員会もそれを容認しています。

交渉では、私たちがこの問題を厳しく追及しましたが、九電は態度を変えようとしません。しかも福島原発事故のさい、事故対策で決定的役割を果たした免震重要棟の建設も2015年にならないと完成しないことが判明しました。にもかかわらず、9月にも再稼働させようと九電は突っ走っています。こんな暴走は決して許されません。

再稼働に突っ走る九電、それに協力する伊藤知事。この後ろには、エネルギー基本計画で原発を「ベースロード電源」と明記させ、再稼働へ暴走する安倍政権がいることを私たちは直視しなければなりません。同時に、この暴走が進めば進むほど、国民との矛盾が深まるし、矛盾が深まるよう私たちがたたかいを発展させなければなりません。

再稼働阻止の展望は

ずさんな避難計画とあまりにも九電に“好意的”な伊藤知事、そして暴走する安倍政権のひどさに世論は変わりつつあります。

南日本新聞(5月5日付)によれば、再稼働に「反対」「どちらかといえば反対」が前年の調査より2・8ポイント増え、59・5%を占め、一方、「賛成」「どちらかといえば賛成」は2・4ポイント減り、36・8%でした。とくに女性は反対派が67・2%にも上り、7割に迫っています。しかも反対理由が「福島の事故原因が究明されてない」が45・9%、「再生エネルギーに移行すべき」が39・2%占めています。

鹿児島県当局の姿勢に厳しい批判が集中したのが、原発立地の「地元」の位置づけについてです。県が「地元」と位置付ける「鹿児島県と立地自治体である薩摩川内市」を“良し”としたのは、わずか7・4%でした。

「地元」の位置づけを「原発から30キロ圏内のすべての自治体」と答えた人は32・2%、「県外を含め、意向の反映を求めるすべての自治体」とした24・8%、「地元として特定の地域を設定するのはおかしい」も27・9%に上りました。この結果は、伊藤知事と県がもくろんでいる限定された地域だけの同意で再稼働しようとすることに県民の多くが不同意を表明しているということです。

30キロ圏のうち6市町(鹿児島、出水、日置、姶良、さつま、長島)は、川内原発に対する原子力規制委員会審査後に県が薩摩川内、いちき串木野の2市で計画する住民説明会を6市町でも開催するよう求めています。

世論の変化は、再稼働反対の市民運動と日本共産党などの「一点共闘」にもとづく運動の前進を反映して、さらにすすんでいます。いちき串木野市では、市民団体「避難計画を考える緊急署名の会」が6月17日、再稼働に市が反対するよう求めて集めている署名が人口(2万9,995人)の46%に当たる1万3,811人に達したと発表し、田畑市長に提出。田畑市長は「重く受け止める」と答え、署名が過半数に達した場合、市として再稼働に反対するかどうかは「市議会の議論や避難計画の説明会の状況を勘案して決める」を述べています。

原発立地の地元で原発関係者が多い薩摩川内市でも変化が起こっています。同市の「さよなら原発いのちの会」が5月中旬から配布してきた1万7,000枚の市民アンケート(返信用封筒と首都圏反原発連合のビラをセット)に次々返信があり、1,000通をこえ、「再稼働反対」が85%に上りました(17日現在)。そこには市民の切実な声も書かれていました。「(毎週金曜日の原発反対の)九電前活動を仕事帰りの車から聞いています。参加できないが子ども3人の未来のためにありがたいと思っています」(40代女性・会社員)。

このような世論の変化を確信にして、ここ福岡で草の根のたたかいを発展させましょう。26日には、「さよなら原発!九電株主総会 脱原発応援アクション」が行われ、28日には東京で「さようなら原発首都圏大行進」が取り組まれ、8月末には、全九州規模で川内原発再稼働反対の大行動が計画されています。これらを一つひとつ成功させ、原発推進勢力を包囲・孤立させ、“原発ゼロの日本”への道を切り開きましょう。

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