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2019年9月10日

福岡民報2019年9月号より

白旗山メガソーラー乱開発住民同意のない開発は中止を

日本共産党飯塚市議会議員 川上直喜

国道201号を八木山峠から飯塚市へ降りるあたりから東の眼下、住宅密集地に小高い山が広がって見える。標高162メートルの白旗山である。その頂上付近から住宅街までの急斜面に、大規模太陽光発電パネルが、食いつくように張り付いているのが異様である。事業者の快適空間FCという法人名は皮肉である。

この施設は5年前に開発が始まり、既に稼働している。昨年7月の西日本豪雨で盛土をした部分が崩れ落ちた。状況によっては、水道配水池から住宅街へ土石が流れ込む深刻な事態だった。飯塚市水道局職員が発見し、飯塚農林事務所へ通報してようやく事業者が駆けつけ復旧作業は行われたが、事故の原因、責任の所在、再発防止についての説明はないまま、とうとう今年の梅雨を迎えた。今年7月28日、断続的に大雨が降り不安が広がるなか、地元のけやき台自治会が立ち上がり、多くの住民が施設内外の危険箇所をチェックして回った。パネル設置箇所のモルタルのひび割れとはがれ、調整池の調整機能の不具合、たて、よこに走る擁壁の大きな亀裂が確認された。林地開発を許可した福岡県は指導監督の責任を果たしているのか、事業者は住民の安全に責任を果たそうとしているのか、住民の不安がつのるなか、飯塚市は重い腰をようやくあげようとしている。安全確保と監視を求める住民共同のたたかいが、ますます大切になっている。

白旗山は、高取焼に由来する窯趾があり、また古城趾が見られる歴史的、文化的に保存が重要である。この地域一帯はかつて、日鉄鉱業二瀬鉱業所ほか大小の多くの会社によって、石炭採掘が大規模に繰り広げられた。谷あいにはかつてのボタ山の跡がいくつもあり、地上の緑から水の供給を受けて数多くの坑道が今も眠り続けていて、もともと開発には慎重さとむずかしさが付きまとう。周囲には、二瀬地区5自治会、幸袋地区8自治会に及ぶ住宅や事業所がびっしり隣接し、おおよそ1万人が暮らす。白旗山は、いわば1万人の共有財産となっている。山中には、イノシシ、シカ、サルの動物、フクロウなど鳥類も豊かで、絶滅危惧1類にも指定されるカスミサンショウウオの生息も確認されている。飯塚市が都市計画マスタープランで緑地保全区域に指定するのは当然である。

この白旗山の自然と緑が壊滅しようとしているというのは、北部の快適空間FCに続いて、東部で悠悠ホームを承継したノーバル・ソーラー(本社・つくば市)が許可条件にある調整池をつくらないまま4月から6月の間に森林伐採をおこない、中央部で一条工務店から光南溶工を経由して承継したアサヒ飯塚メガソーラー(本社・東京)が着工を急いでいるからだ。飯塚市は、この間、福岡県や九州経済産業局に情報提供を行った。ノーバル・ソーラーの不法な森林伐採を食い止めず追認し、監督処分をかけない福岡県に対しては、アサヒ飯塚メガソーラーの工事着工の中止を求める意向を示した。県は自分が違反すれば許可を取り消すことがあるとした許可条件を守らせることができず追認を繰り返し、しかも反省がないのだから、市としては当然のことである。地元自治会と住民のたたかいと共同して、飯塚市と市議会が「住民同意のない開発の中止」を訴える立場を堅持し、それぞれの役割を果たすことが強く求められる局面を迎えた。

すでに太陽光パネルが敷設されたけやき台地区

すでに太陽光パネルが敷設されたけやき台地区

現在、造成中の緑ヶ丘地区

現在、造成中の緑ヶ丘地区

飯塚市は2014年8月当時、一条工務店の大規模太陽光発電開発計画を企業誘致と位置付け、地元自治会長への説明会に各課の幹部職員が同席し、環境部次長が「開発がスムーズに行くよう期待している」などと述べたことがある。太陽光発電設備設置推進の立場にたって、国も県もまったく前のめりの状況が伺えた時期だった。

住民説明会に対して住民側はよく準備した質問を展開し、事業コンサルタントが回答不能に陥ることもしばしばだった。この開発が自然環境を破壊し、住民生活に打撃を与える重大さが明らかになるなかで、それまで戸惑いが先行していた地元自治会は「住民同意のない開発は中止を」と要求を明確にしていった。森林伐採の対象が白旗山一帯であることを明らかにしたことは、住民の共同が、心ある人々の集まりだけでなく、影響を受ける地元自治会間の共同として広がるうえで大きなカギとなった。この住民運動は初めから党派を超えて出発することになったのは当然である。

一条工務店が福岡県に出した膨大な文書の中に、地元住民運動は特定の目的を持った勢力によって引っ張られているという趣旨のことをかいているものがある。最近発行の業界紙でも、共産党市議が猛反対というような見出しをつけている。

日本共産党は地元自治会長のみなさんから相談があった当初から、宮嶋つや子市議(当時)と川上直喜前市議(当時)が事業者との話し合いに同席するとともに、情報の収集と提供を重視し、寄り添いサポートするスタイルの共同を大切に発展させる立場から、議会質問によって事実関係を正確に明らかにすることから始めた。2015年4月の統一地方選で2議席を回復したことは重要であった。この間、定例会のたびに一般質問で取り上げて、飯塚市が住民が安心して暮らせるまちづくり優先の立場にたって頑張るよう繰り返し要求し論戦を展開してきた。市議会が一致して頑張るよう呼びかけ続けている。

2015年6月、前市長は市議会で「住民同意のない開発は反対」と答弁し態度を表明した。一条工務店が提出した林地開発許可申請の審査に当たり、森林法に基づく県知事の意見照会に対して、前市長は10月、都市計画マスタープランにもとづくまちづくりの基本方針との整合性は図られていないとする意見書を提出するに至った。2016年3月県知事が林地開発を許可したことによって、住民同意のない開発は反対とする飯塚市と福岡県は深刻な矛盾を抱えることになった。

この状況のもとで飯塚市議会は、住民同意のない開発中止を求める住民の請願を賛成多数で採択し、開発中止要請決議を上げ、一条工務店と悠悠ホームの社長、県知事に送付した。

日本共産党は市議会で、市長に対し事業者に直接あって開発中止と予定地の寄付を申し入れるよう提案した。市長は、事業者に面会を求める手紙を出した。真島省三衆院議員(当時)、高瀬菜穂子県議ほかも繰り返し現地を調査し、住民と懇談した。真島衆院議員は改正FIT法案審査にあたり一条工務店の開発計画を取り上げ、高瀬県議は林地開発における調整池について追及した。日本共産党演説会に参加した地元住民の求めに応じて、「しんぶん赤旗」日曜版は特集記事を掲載して住民のたたかいを応援した。

白旗山乱開発の中止を求める住民共同のたたかいは、利益第一の事業者がどんなにどう猛で横暴か、住民を守ることに関心を持たない行政がどんなに無責任で危険か、浮き彫りにしつつある。重大な局面を迎えて党派を超えた共同のいっそうの発展が求められるときに、日本共産党という政党、議員が住民の利益のためにどんなに共同を大切にしているか、どんなに献身的に頑張るのかも問われている。住民に深く信頼され、広く結びつき、しなやかで活力に満ちた頼りがいのある日本共産党が強く求められていると自覚している。事態は緊迫しているが、「住民同意のない開発は中止せよ」と、これまでの共同を重層的に発展させれば打開できると確信している。

 
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