2025年3月21日
陸自V-22オスプレイの福岡県内での飛行訓練の中止を求める申し入れ
日本共産党福岡県委員会は3月21日、福岡県内への陸自オスプレイの飛来にあたり、中谷元防衛大臣宛ての申し入れを行いました。
申し入れ文は以下の通りです。
防衛大臣 中谷 元 様
陸自V—22オスプレイの福岡県内での
飛行訓練の中止を求める申し入れ
3月21日 日本共産党福岡県委員会
委員長 内田 裕
3月19日、防衛省から県と築城基地周辺の自治体に、「陸自オスプレイ(V—22)の飛来について」という資料が示されました。そこには、陸自オスプレイ部隊の任務遂行にあたって、様々な飛行場、演習場等における飛行を通じて、操縦士等の技能を向上させることが不可欠であるため、 「空中機動訓練」 (物資の輸送を想定した各地域への飛行、降着・離陸、地上に所在する関係部隊等との調整を実施)の計画が記されています。
3月25日(火)に、千葉県木更津駐屯地から大村航空基地へ移動。
同26日(水)に、大村航空基地~築城基地~芦屋基地~大村航空基地。
同28日(金)に、大村航空基地から木更津駐屯地へ帰投。
オスプレイは、墜落事故が相次いでいます。あまりの犠牲者の多さから、米メディアからも「空飛ぶ棺おけ」「ウィドー・メーカー(夫を亡くす妻を製造する機械)」とやゆされるほどです。死亡者数は、2023年11月の屋久島沖の墜落事故で合計65人にのぼり、すべてが墜落など事故によるものです。とりわけ、22年以降の2年間で4機が墜落し、20人が死亡しています。米本土では、死亡した乗組員の家族が、機体の欠陥と危険性を訴え、設計・製造企業に損害賠償を求める裁判を起こしています。
2023年11月、米空軍のオスプレイが屋久島沖に墜落し、8人の乗組員が死亡した事故は、日本国内初の死亡事故で、実戦配備後では最多の死亡者数の事故でした。この事故を受け、米政府や議会に強い影響力を持つとされる米軍予備役の支援団体、「リザーブ・オーガニゼーション・オブ・アメリカ」(ROA)は、国防長官に即時飛行停止を求める書簡を送付しています。その書簡では「増大する証拠がV22の重大な欠陥を示している」「オスプレイほど致命的な米軍機は存在しない」と断じています。米国防総省はすでに、2026年にはオスプレイの生産ラインを閉鎖する方針を決めていますが、オスプレイは50年代まで運用する計画です。現在、オスプレイを運用している国は、米国以外では日本だけです。
米軍は、2023年11月の屋久島沖の墜落事故を受け、全世界でオスプレイの飛行停止をし、自衛隊もこれにならいました。しかし、米軍と自衛隊は、事故原因も明らかにしないまま、24年3月に飛行を再開。同年8月には、米軍が事故調査報告書を公表しましたが、なぜ歯車にひびが入ったのかについて「正確な根本原因を特定できなかった」として、今後の再発防止策も示していません。
2024年10月27日、日米共同統合実動演習 「キーン・ソード25」に参加していた陸自V—22オスプレイが、陸自与那国駐屯地での離陸直後に、機体の一部が地面に接触して損傷しました。自衛隊のオスプレイ初の事故で、事故レベルも米軍の基準で「クラスA」にあたる重大事故でした。事故を受けて陸上自衛隊は、全17機の飛行を見合わせました。その後、自衛隊の調査の結果、原因を「人的要因」と結論付け、飛行を再開しました。しかしそれは、オスプレイという機種自体が、訓練した自衛隊員でさえ重大な操作ミスをするほど扱いにくく、操作ミスをカバーする機能がないという欠陥が明らかになったということです。少なくとも、その解決なしに飛行再開などありえません。
ところが、2024年11月14日、九州・沖縄随一の人口密集地・福岡都市圏のど真ん中にある「日本一の過密民間空港」 、福岡空港に、米海軍仕様のCMV22オスプレイが初飛来。しかも、政府が確定情報として県と福岡市にそれを連絡したのは、飛来30分前で、上空を通過した市町村には何の連絡もしていません。
そして、今回の陸自V—22オスプレイの飛行訓練の計画が明らかになったことを、決して看過するわけにはいきません。
私たちは、 「オスプレイはそもそも欠陥機であり、米軍も自衛隊も配備を撤回すべきだ」と繰り返し求めてきました。それを裏付けるように、日本国内でも日米のオスプレイが重大事故を起こしたにもかかわらず、 日米両政府が事故原因の特定や再発防止策もないまま国民の頭上を飛行をしていることに、強い憤りを禁じ得ません。
日本共産党県委員会は、政府・防衛省に対して、県民の生命の保護及び安心・安全の確保のために、陸上自衛隊V-22オスプレイの福岡県内での飛行訓練の中止を強く求めるとともに、日本国内へのオスプレイの配備撤回をあらためて求めるものです。
あわせて、以下のことについて回答を求めます。
- 3月25日~28日の県内の飛行経路、各市町村の上空を飛ぶ予定時刻とその飛行高度。
- 陸自オスプレイ(V—22)の飛来について、防衛省から連絡した福岡県内の自治体はどこか。それ以外の自治体には連絡していないのはなぜか。
- 九州各県は、政府に対して、 「県民に不安の声がある」として、安全対策の徹底とともに「飛行ルートの情報提供や飛行ルールの徹底」などの丁寧な情報提供のほか、「住宅地上空の飛行を控えること」などを要請しているが、そのことをどう受けとめているか。
以上