徹底追及!県議の海外視察

福岡県議の公費を使った海外視察について、2023年度からの3年間で22回、のべ97人が行き、議会費だけで3億円の税金が使われたことが分かりました。
日本共産党県委員会が情報公開請求などで調査しました。
県議会は2026年度も海外視察費の予算5100万円を決定しています。
日本共産党がいない県議会でタガが外れています。県民の生活苦を尻目に「豪遊」…その実態をレポートします。
(1)自民党ら県議26人が3年間で3億円
一人なんども、のべ97人で22回
公費を使った県議の海外視察は2023年8月から2026年1月の間に合計22回行われました。
渡航先は、アジア10回(韓国2回、タイ3回、ベトナム2回、中国、マレーシア、インド各1回)、アメリカ5回(うち4回はハワイ)、欧州3回、アフリカ2回、オーストラリア2回です。
参加県議はのべ97人ですが、1回以上参加した議員は26人です。これは、議長を含む3人が10回以上という独占状態のためです。
会派別内訳は、自民党9人でのべ58回、民主県政県議団13人で21回、新政会2人で15回、公明党2人で3回です。
参加議員、回数、旅費金額とも6割を自民党が占めています。


旅費は一人1回平均126万円
公費を使った海外視察の費用のうち、議会費の県議の旅費だけで合計1億円以上です(金額が判明した2023年8月から2025年8月の間の19件)。
一人1回あたり平均126万円です。
1回に200万円以上の高額旅費がのべ12人もあります。
海外旅行サイトで確認できる相場よりも2~3倍も高いのはなぜか。航空券はほとんどビジネスクラス。宿泊は高級ホテルのグレードの高い部屋。円安もお構いなしです。
毎年1億円 今年度も5100万円
旅費以外の業務委託費も含めた県議会全体の海外視察費は、毎年1億円を超えています。
2023年度1億4100万円(決算)、2024年度1億800万円(決算)で、いずれも予算を大幅に超過しました。
2025年度予算6400万円と合わせると、この3年間で3億円を超える税金が使われ、2026年度も5100万円の予算が組まれています。
他の県議会や政令市議会では議員の海外視察の金額や回数に上限を設定していますが、福岡県議会では議決さえすれば一人何回でも、いくら高額でも公費を使った海外視察ができる、まさにやりたい放題が常態化しています。
そもそも、こんなにも県議が海外視察に行く必要があるのでしょうか。海外視察の半数近くが「ワンヘルス」関係ですが、こうした調査や意見交換はオンラインでも十分可能ではないでしょうか。
(2)「報告書」公表はわずか2件
公費を使っておきながら9割が非公表
公費を使って視察に行ったにもかかわらず、「報告書」が県議会ホームページで公表されたのは22件中たった2件です。
それも、日本共産党県委員会が4月9日に議長に申し入れをする前まではゼロでした。
県議会は4月14日、ホームページに2件の報告書を掲載しました。
日本共産党県委員会が情報公開請求で入手した報告書は3件です。そのうち1件は県議会ホームページで公表されましたが、のこり2件は未公表のままです。
県民が見たければ手数料を払って情報公開請求をしなさい、というのでしょうか。
「報告書」作成すらしない、旅行記程度でごまかし
22件中18件は、「報告書」そのものが作成されていません。
そのかわりが県議会ホームページの「トピックス」の記事。2023年度以降の海外視察について記事が掲載されていますが、その内容は「~を視察しました」「~について意見公開を行いました」「大変有意義で実りあるものとなりました」など、わずか数行の「旅行記」程度の記載があるだけです。
一部は現地の写真が一枚も掲載されていません。
ホームページのどこを探しても一切記載がないものもあります。
これでは、どこで何を視察し、誰からどのような説明を受けたのか、調査した結果何が明らかになったのか、県民は何も分かりません。詳しい報告がなければ、調査目的が果たされたのか、多額の公金を使った海外視察が適切だったのかどうか、県民は判断しようがありません。
他県議会では報告書公表があたりまえ 公表できないなら返還を
他の多くの県議会は海外視察の「報告書」をホームページで公表し誰でも見ることができます。一人数十ページの報告書を作成、公表している議会もあります。
福岡県議会の海外視察は不透明にも程があります。実態を県民にひた隠しにする姿勢は異常です。
県民に説明できないのなら、使った費用を県に返還すべきです。報告書を作成、公表しない海外視察は中止すべきです。
(3)県民の理解を得られない、「豪遊」としかいいようがない内容の数々

入手した報告書や行程表、旅費計算書等から、数々の問題点が明らかになりました。
ハワイの高級ホテルに連泊
2年半で4回、のべ19人がハワイに行っています。毎回行った県議が2人もいます。
旅費は一人平均146万円と、相場の2~3倍です。
一泊10万円以上の高級ホテル「シェラトンワイキキ」に連泊したケースもありました。
スケジュールをみると、州知事や州議会の表敬訪問、県人会との交流、ハワイ大学でワンヘルスに関する意見交換などをしたようですが、報告書がないため詳細は不明です。
「友好・交流」を名目にした税金私物化に他なりません。「リゾート地で豪遊」と言われて当然です。

南アフリカ行きのついでに世界1位の観光都市ドバイ見物
2024年4月に6泊9日で、ケニア・ナイロビでハビタット本部訪問、ドバイ3泊、南アフリカ・ケープタウンで3泊した「南アフリカ等視察団」(獣医世界師会大会に参加した蔵内氏に16県議が同行)は、獣医師会の行事参加など「ワンヘルス」関係の調査として議会議決した後に、関係のないドバイ日程を追加したことが明らかになりました。旅費を公費負担したのは5人で、合計1252万円です。
当時、報道機関からの質問に対し服部誠太郎知事は「報告書の公表が必要」とコメントしていました。今回入手した「報告書」によると、ドバイの「視察先追加の理由」として、獣医師会大会とハビタット本部訪問の日程の間に「土曜・日曜を挟む」ため「最大限に活用」して中近東に立ち寄ることを決め、「ドバイが目指す都市像の方が『世界から選ばれる福岡』を目指す本県にとって問題点や課題を含め参考となる点が多い」「ホテルの空き室状況等を踏まえ」ドバイに選定したとされています。
ドバイの視察結果として、「食に関する嗜好の調査、ホテルと周辺状況、都市開発と都市交通システム」の記載がありますが、行政や施設関係者との面会や意見交換の記載はありません。ガイドの案内で観光地を巡り、写真を撮った程度だったと推測されます。
これでは、多額の公費を使った視察として妥当性を欠くと言わざるを得ず、実際は「ドバイ観光旅行」だった疑いがあります。

フランス・ボルドーでワイン
「欧州視察調査団」(2024年2月、5泊8日)は、スイス・ジュネーブのWHO(世界保健機関)とフランス・パリのWOAH(国際獣疫事務局)を訪問しましたが、その両日程の間に、フランスのボルドーに2泊し、「ワイン博物館」「オーガニックワイン農場」を訪問しています。
「視察調査報告」は作成されているものの、本文はわずか8ページです。その中で、ボルドー視察の目的には「ワインで知られるボルドーは、ワンヘルス認証制度の参考となる、生態系に配慮したブドウ栽培の取組」、「本県の『酒文化』振興戦略づくりの参考になる」などと記載されていますが、この程度の内容であれば現地に滞在しなくても調査可能だったのではないか、はなはだ疑問です。
旅費は6人合計1368万円(一人平均228万円)の公費が使われました。
(4)県議会に日本共産党がいなくなってタガが外れている
以上のように、県議が頻繁に海外視察に行き、多額の公費が使われ、報告書もまともに作成されない不透明さ、「豪遊」「観光旅行」が疑われる内容など、ひどい実態が浮き彫りになりました。
県民から「物価高で大変な時に県議は何をしてるんだ」「やっぱり県議会に共産党がおらんといかん」との声が寄せられます。
県議会に日本共産党がいなくなってタガが外れていると言わざるを得ません。県民が異常な物価高騰に苦しい生活を強いられるなか、県議が多額の公費を使った海外視察を繰り返し、その説明もまともにしないということは許されるものではありません。
日本共産党県委員会が県議会に申し入れ、マスメディアが海外視察の高額ぶりや報告書非公表の問題を追及するなか、5月に予定されていた海外視察2件が中止、延期になりました。それでも、蔵内勇夫議長は「海外活動は大きな意義を持つものだと確信しており、これからも必要なものは継続してまいりたい」(県議会ホームページ掲載の就任2年目にあたっての所信表明)と宣言しました。
日本共産党は、公費を使った県議の海外視察の詳細な報告書の公表とともに、当面、全面的に中止するよう引き続き求めていきます。そして、税金の無駄づかいを許さず、県民の願いが届く県政・県議会に改革するため、議席の奪還に全力をあげます。






