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2011年10月17日2014年6月13日

九州電力に対する要望書

九州電力株式会社様

「やらせメール」問題等に係る無反省な最終報告書を撒回し、祉会的批判を真摯に受け止め、真相と責任の所在を明らかすること及び「やらせ」がはびこる癒着構造を根絶する対策等を求める要望書

2011年10月17日

日本共産党九州・沖縄ブロック事務所長 田村貴昭
福岡県委員会委員長 岡野隆

貴社が14日に経済産業省に提出した、玄海原発再稼動をめぐる公開番組での「やらせメール」問題等についての最終報告書は、第三者委員会の「古川知事の発言が決定的な影響を与えた」とする認定を黙殺し、「メール投稿は古川知事の真意を九電側が誤って受け取ったことが原因」という従来の立場を繰り返し、事実上否定しています。しかも、第三者委員会が指摘した貴社と古川知事との「不透明な関係」も”建前”の記述だけにとどめ、真部利應社長は会見で第三者委員会を攻撃し、”辞意”まで撤回しました。

貴社は、社会的な批判をあびた「やらせ」の反省どころか、「九電の良き理解者」、原発推進の「希望の灯」(第三者委員会最終報告)である古川知事を守り、居直る態度に終始しています。

「やらせメール」問題は、関係者が日本共産党に告発して明らかになり、「しんぶん赤旗」のスクープ、国会や地方議会での日本共産党議員の追及で大問題となったものです。

わが党は、その当事者として、貴社が最終報告を撤回し、真相と責任の所在を明らかにするとともに、「やらせ」をはびこらせる癒着の構造の根を断つ対策をとることを、強く要求するものです。

1)国民、県民の批判、第三者委員会の報告を真摯に受け止め.無反省な最終報告書を撒回し、真相と責任の所在を明らかにすること。

国民、県民は、貴社が反社会的行為の当事者として、信頼回復のために設置した第三者委員会の調査に対して、資料の証拠隠滅や異常な「反論」など露骨な妨害を行なったうえに、第三者委員会の最終報告さえ無視する態度をとっていることに、怒りと不信を沸騰させています。最終報告を受け取った枝野経済産業大臣が、「公益企業として問題、理解不能」と批判しているのは当然です。

福島原発事故で「原発の『絶対安全』の神話は崩壊した」、「多くの国民は、本来的に危険な原発を敢えて稼働させていくかどうかの判断が、極めて重要なものとなった」(第三者委員会の最終報告)もとで、貴社の対応は、国民や社会の要請に真っ向から逆らうものと言わなければなりません。

私たちは、貴社が、国民、県民の批判、第三者委員会の報告を真摯に受け止め、無反省な最終報告書を撤回し、真相と責任の所在を明らかにすることを求めます。

2)国や自治体との癒着の根を絶つ措置をとること。

九州電力による「やらせ」問題発覚後、他の電力会社でも「やらせ」が相次いで発覚し、経産省の第三者委員会は、原子力安全・保安院や資源エネルギー庁が「やらせ」を指示していたことを明らかにしました。

シンポなどを主催する国や自治体が「やらせ」を指示したり、手を貸したりするのは、規制・監督する行政機関としての役割を投げ捨てるものです。住民の安全より原発推進を優先させているのは明らかであり、その責任は徹底追及されるべきものです。

「やらせ」がまかり通る背景に行政当局や政治家、電力会社による、文字通りの”政官業の癒着”があるのは明らかです。貴社も、役員名義での政治家や立地自治体首長への献金や選挙応援、パーティー券購入、親族企業への発注などを続けてきました。電力会社への「天下り」も後を絶ちません。「やらせ」を生む癒着は、徹底して根絶やしにすべきです。

私たちは、貴社が、公益事業者として、過去のあらゆる癒着の事実を自ら国民に開示して、その根を断つ措置をとることを求めます。それなしに、「やらせ」を一掃することはできません。

3)真部社長、松尾会長はただちに辞任し、貴社としての国民への謝罪の意志を示すこと。

貴社が、国会で辞任を言明した真部社長はじめ取締役を誰一人として更迭せず、減給処分でお茶をにごしたことは、「事の重大さに対して、あまりにも甘すぎる処分だ」と大きな社会的批判をあびています。

反社会的行為を実行した際の企業の最高の意思決定者であるうえに、その行為への無反省で無責任な最終報告を出した真部社長、松尾会長の辞任なしに、国民、県民に対して、貴社の謝罪の意志をしめす道はありません。また、社長、会長をはじめ取締役の人事刷新なしに、ふさわしい組織改革の断行を期待できないことも明らかです。

4)「ウソと癒着」で押しつけたプルサーマル、危険な老朽原発はただちに廃炉にすること。

貴社が、以上のようなことさえできないというのであれば、九州電力には、もはや国民の生命と安全にかかわる原発事業を行なう資格はないと言わなければなりません。

原発事業は、電力会社が安全性をチェックし、国がそれを評価し、立地自治体が事前了解するという「手続き」でおこなわれてきました。その「手続き」のうえで、重要な意味をもった説明番組や討論会などで貴社による「やらせ」行為が横行してきた事実が明らかになったいま、貴社が運営するすべての原発に対する国民の信頼は完全に失われています。

こうしたなかで、「やらせ」の共犯者による内輪の「ストレステスト」で「安全」を宣言し、原発の再稼動を行なおうなど論外です。

とりわけ、貴社自身が住民をだまして導入した事実を認めたプルサーマル、老朽化し、原子炉圧暴力容器が日本一脆くなっている玄海1号機は、ただちに廃炉にすることを強く求めます。

福島原発事故で、ひとたび原発で重大事故が起きれば、「異質の危陶をもたらすことを目の当たりにし、さらに、日本の原子力事業で「ウソと癒着」が横行してきたことが明らかになったいま、危険な原発からの撤退を求める国民の声はますます広がっています。

日本共産党は、未完成で危険な技術の原発を、世界有数の地震・津波国に54基も設置している危険を警告し、政府が、原発からの期限をきったすみやかな撤退を決断することを求めてきました。いまこそ、すみやかに原発から撤退し、再生可能エネルギーの本格的導入と低エネルギー社会への転換のために全力でとりくむことを強く求めるものです。

以上

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