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2016年1月3日2016年8月7日

福岡民報2016年1月号

福岡県政の現状と問題点

福岡県議会レポート

福岡県議 高瀬菜穂子

2015年4月のいっせい地方選挙で、2議席を確保させていただき、本会議及び特別委員会で論戦を行いました。福岡県政は、大型開発優先、福祉・教育切り捨ての異常な姿勢であると痛感します。その一端を報告します。

1、水が余っていても、ダム建設に史上最高292億円

ダムをつくり続けてきた福岡県政。海水淡水化施設や北九州から福岡への緊急導水管など、すでに水は十分に開発し余っている状態です。ところが今も、五ヶ山ダム、伊良原ダム、小石原川ダムという3つの巨大ダム建設中で、今年のダム予算は、292億円と史上最高額。まさに湯水のごとくダムにお金をつぎ込んでいます。

ムダなダム第4次ウォータープランの過大な水需要予測に基づき、水資源開発が行われてきましたが、予測と水供給実績とは大きく乖離しています。2004年から2013年までの10年間で、給水人口は筑後地域を中心に約13万人増えていますが、年間の実績給水量は逆に減っているのです。使われていない工業用水の転用、広域的な水利用を行えば、新しいダムは必要ありません。ダム開発は、水道料金の値上げにもつながり、すでに全国平均を上回っている福岡県の水道料金をさらに押し上げることになります。

実績年間給水量建設中の巨大ダムに加えて、筑後川の不特定用水確保のため、筑後川の水をポンプアップして、小石原川ダム、江川ダム、寺内ダムにためる「ダム群連携事業」も行おうとしています。さらには、下関北九州道路も推進で、途方もない巨大開発優先県政といわなければなりません。

2、日本一高い後期高齢者医療保険料

後期高齢者医療は、もともと75歳以上の高齢者を切り捨てるひどい制度です。県ごとに「広域連合」がつくられ運営されていますが、本県は保険料負担が制度発足当初から一貫して日本一高く、この制度こそ福岡県の冷たい福祉行政を象徴しています。

福岡県の医療費は12年連続日本一です。県は、「医療費が高いのだから保険料が高くなるのは当然だ」という考えです。しかし、3回の保険料改定が行われる中で、これ以上の保険料負担はさせられないと、他県では保険料を抑える涙ぐましい努力がなされています。医療費が全国2位の高知県では、3回目の改定の際、財政安定化基金を11億円も取り崩して、保険料を据え置きました。医療費全国3位は北海道ですが、3回の改定でつぎ込んだ基金の額は福岡県の1.7倍にもおよび、保険料は全国13位です。

福岡県にも基金は61億円もあり、このうち14億円を取り崩せば保険料を据え置くことができました。ところが、本県は基金の取り崩しをせず、全国一の均等割額、全国で唯一11%を超える所得割率を課したのです。全国20の広域連合が保険料を下げ、12の広域連合が保険料を据え置きしたのと対照的です。さらに、今年度福岡県は、基金の積み増しをしませんでした。厚生労働省も、医療給付費の0.044%(福岡の場合30億円)を積みますよう指導しているにもかかわらず、1円の予算もつけていないのは極めて不当です。

県が10億円予算をつければ、国が同額、広域連合も同額出して、合計30億円となるのです。2017年からは保険料軽減特例措置が廃止になるといわれています。その影響は、県内後期高齢者62万人の実に6割、35万人に及びます。

その対策としても、基金の積み立ては重要なのに、今の県の姿勢は高齢者の苦しみを一顧だにしない冷たさといわなければなりません。

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